第3戦から舞台はスパーズのホームコートに。第2戦で大敗したスパーズがホームに戻ってどう立て直すのか、と思っていたら今度はスパーズが大量リードにて圧勝。最終スコアは113-77という、ちょっと信じられない結果に。
なんすかね、このファイナルは。第1戦こそパーカーの「劇的」なショットがハイライトされるような大接戦だったのに、第2戦、第3戦は一方的な展開に。終盤での息詰まる攻防を期待していたファンにとっては、ちょっと拍子抜けしてしまうファイナルとなっているような気がする。
さて、第3戦はスパーズのアウトサイドが絶好調でした。その3ポイントシュートだけど、ニールが6本成功でグリーンが7本成功ですか。完全に「ゾーンに入っている」という感じでしたね。チーム全体では16/32という5割の確率。つーか、32本も打ってるのが凄い。というかつまんない(笑)。まあ、ニールの思い切りの良さは潔くていいんですけどね。
逆に気になったのはダンカンがベンチにいる時間帯。この時はガードがニールでインサイドにスプリッターという場合が多いけど、このコンビだとなかなかインサイドにボールが入らないのでボールの落ち着きどころがない。結果3ポイントが確率良く決まったから良いものの、なんかバタバタしたオフェンスになっている気がする。
第3戦ではヒートオフェンスが苦しんでいただけに、スパーズもそれにお付き合いしてしまってはもったいないと思って見ていた。そう考えるとパーカーとダンカンのピックアンドロール、というかマンツーマンディフェンスにおいてはピックアンドロールはかなり有効なんだと再確認させられる。第2戦のチャルマーズとレブロンもそこから流れを掴んだし。
そのチャルマーズとレブロンのコンビは不発でしたね。チャルマーズは序盤にファールトラブルでベンチにいる時間が長くなってしまった。結果
得点ゼロに終わってるから、第2戦との差はこのチャルマーズの不発とも言える。後半以降、チャルマーズとレブロンのピックアンドロールで停滞するオフェンスを打開しようとしていたけど機能しなかった。
それにしてもこのシリーズはレブロンがなかなか目立ってこない。どちらかというとウェイドの方が良い動きをしている。レオナルドのディフェンスに手子摺っているのか。逆にレオナルドの良さが光る。レブロンへのディフェンスも良いしリバウンドにも常に絡んでいる。オフェンスでもシュートセレクションが良いし、バスケットボールIQの高さを感じる。
第3戦の序盤から中盤でヒートはミラーのアウトサイドに活路を見出そうとしていたけど、それは間違いだと思って見ていた。そんなことしていたらこの試合は落とすだろうと。やっぱりヒートはビッグ3が躍動ないと勝つのは厳しいでしょ。ビッグ3を中心に据えたアウトサイドの活躍ならばヒートのペースになると思うけど、アウトサイドだけを頼っては勝ち目はない。
とはいえ、第3戦のスパーズはアウトサイドだけで勝ってしまった印象があるけどね(笑)。まあ、NBAの試合で3ポイントがパカスカ入ってしまう試合もたまにあって、たまたま第3戦がそうなってしまったということなんだけどね~。さすがに第4戦以降で同じような展開はないと思う。もっとビッグ3同士がガチンコで削り合う試合が見たいんだけどもね。
これでシリーズは2勝1敗でスパーズがリード。これでスパーズは第4戦、第5戦のホームゲームで1勝でも出来ればチャンピオンに王手となるだけにかなり有利な展開になった。第3戦の流れのままに第4戦まで獲ってしまうことになると一気に第5戦で決着、というシナリオも十分に考えられる。なんにしろヒートはもう崖っぷち状態なんですね。
最後にレブロンについて気になる数字が。これまでの3戦でレブロンのフリースローの数が4、2、0と信じられないくらいに少ない。第3戦のゼロって、今までゼロってあったっけ?。この数字がレブロンが攻め切れていない、オフェンスがソフトであることを証明していると思う。まあ、スパーズのディフェンスがうまく抑えているというのもあるけど。
フリースローで得点を稼ぎ、相手のインサイドをファールトラブルに陥らせる、そういう強引なレブロンをそろそろ見たい。レブロンには何事もそつなくこなすオールラウンダーとしてではなくて、1試合で40点ぐらい荒稼ぎするスコアラーとしての活躍が見たい、と思うのは僕だけかな。