日本のバスケ界のビジョンは?
日本のバスケットの将来を考えてもがんばってきて欲しい――。これは先日の田臥選手の会見に同席した倉石男子強化部長が述べたコメント。日本人選手がNBA挑戦に挑戦するときによく「日本のバスケ界のために」というセリフを耳にするけど、実際に日本人選手がNBAプレイヤーになることが日本のバスケ界のためになるのかな、と最近考えてしまうんですよ。ぼくも国内リーグよりはNBAを好んで見ているけど、例えば田臥選手がNBAプレイヤーになったら、ファンはNBAばかり注目するようになるのではないか、と。
おそらくですよ、日本人選手がNBAでプレイするようになると、地上波までとはいかないけど、NBAの試合を放送するプログラムが増えると思うんです。そのしわ寄せはただでさえ放送が少ない国内リーグの試合放送に何らかの影響を与えると思うんです。まあ、その前に日本の局が放映権を入手できるかは難しいところだと思いますが。NHKBSで日本人メジャーリーガーが誕生してからメジャーリーグの試合放送がやたらと増えたことなどを考慮すれば、まったく考えられない話ではないでしょ。そっちのほうが視聴者が増えることだし。
テレビ以外でも少なからず影響はあると思います。bjリーグのファン層拡大の戦略としては“ブルーオーシャン”という戦略をとっていると雑誌で読んだことがある。このブルーオーシャン戦略は新規開拓みたいな感じで、すでにJBLを見ていたファンをbjリーグ側に取り込むのではなくて、JBLとは違うファン層を掘り起こそうとすることらしいです。まあ、つまりは今までバスケにあまり関心がなかった人に目を向けたわけです。女性とか。で、ファンはまだバスケを詳しく知らないわけで、日本人選手がNBAで活躍しだすとそっちに興味が移ってしまう可能性もあるのではないか、と思うわけです。まあ、国内、NBAともに関心を持ってもらえるなら問題ないですが。
グダグダとつまらないことを長々と書いてしまいました(笑)。まあ、ぼくが言いたいのは協会が何を根拠にNBA挑戦が日本のバスケのためになると思っているのか、ということ。確かに、NBAプレイヤーが誕生すれば青少年たちが憧れを抱きバスケを始めるかもしれないけど、じゃあ、国内リーグのレベルアップは?日本代表の強化は?と思ってしまう。プロ野球の場合は、トップ選手の海外流出から起こるリーグの魅力低下を危惧してあれほど騒いでいるんじゃないのかな。サッカーの場合あまり海外移籍が問題とならないのは、日本人選手のレベルを上げてW杯出場を達成する、もしくはW杯で活躍できる選手を育成することを第一に考えているからじゃないですかね。まあ、あくまでもこれらは個人的な考察に過ぎないですが。
北京五輪のアジア予選での惨敗に、協会に対して「代表を強化しようとする方向性が見られないし、継続性がない」という指摘をジャーナリストのコラムでチラホラ見ました。今回の田臥選手の離脱やそれについてのコメントなどから考えても、やっぱり明確な方向性が欠如しているように感じます。協会が理想と掲げる「日本のバスケットの将来」って具体的にどういうビジョンなのでしょうか・・・。
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