リンク栃木、レラカムイ北海道ともに赤字

とおりすがり

2009年04月10日 06:45

 ひさしぶりにスポーツマネジメントネタを書いてみましょうかね。このブログでちょうど1年前ぐらい前に「JBLにおけるクラブチームとしての可能性」という記事を書いていて、リンク栃木とレラカムイ北海道のチーム運営について書きました。今回は、リンク栃木はJBL参入1年目、レラカムイは2年目を終了し、両チームの運営はどのように変化したかを注目してみたいと思います。

 まず、リンク栃木だけど、今季の収支が約2000万円の赤字になることが発表されてます。今季は3億円の売上を目標としていた(昨年の記事を読み返すと2億6000万円だった)けど、実際にはそれを上回る約3億6300万円の収入があったようです。ただ、支出が約3億8300万円で結局のところ約2000万円の赤字。19年度は600万円の赤字だったんで、累積赤字は2600万円となった。

 まあ、19年度の売上高が約1億2700万円なんで、JBL2のときよりも売上を見ると約3倍となっていますね。田臥選手や川村選手らスター選手を獲得できたことが集客効果やスポンサー獲得につながったと考えられますね。支出が増えた理由として、試合会場の増席や警備対策により興行原価が増大したことを挙げています。

 リンク栃木は来季、今季より9700万円多い4億6000万円の収入を見込み、2000万円の黒字を目指しているようです。チケット収入は今季比3300万円増の1億2000万円を計画。担当を置いて商品開発を進めるグッズの売り上げは4000万円、スポンサー収入は2億6000万円を見込んでいるとのこと。

 次にレラカムイ北海道だけど、2季目の収支決算が5000万円以上の赤字になる見込みとのこと。収入と支出の数字が今のところわからないので何とも言えないけど、どうやらスポンサー収入とグッズ収入で苦戦しているようですね。これで累積赤字は1億2000万円以上。リンク栃木が来季2000万円の黒字を目指しているとあったけど、そのペースだとトントンになるまであと6年以上はかかる計算。2年後にはbjリーグと統合するらしいけど、どうなるレラカムイ北海道。

 会社としては3億円の売上を目指していたらしいので、19年度の7000万円の赤字を今季で“トントン”にしたかったのであれば、2億3000万円程度の売上があれば今季はトントンになるはずだったけど、さらに赤字になったということは、そうとう苦戦したということかもしれないですね。胸と背中で1億円余りとなるユニホームスポンサーのなり手がなかった・・・、これは痛い。

 レラカムイは、選手のサインは500円、ファン感謝デーは入場料1500〜2000円、さらに記者会見も2000円でファンを入れるなどしてるらしけど、そういうところでファンからお金を取るのってちょっと寂しいと思う。というか、サインでお金を取るってどうなの?。ちょっと信じられない話なんだけど・・・。

 レラカムイの明るい話題といえば、2季連続集客1位ということですね。今季道内戦16試合(札幌13、函館2、室蘭1)で観客動員数は1試合平均3521人。2位は予想がつくと思うけどリンク栃木で平均2670人。あのリンク栃木よりも集客できるんだから、スポンサーに対してアピールできそうなもんだけどね。スポンサーがつかない理由として「チームのブランド力が弱く、企業がメリットを感じていないのも一因」との声もあるみたいです。

 結局のところ、両チームともに赤字になってしまっているけど、この景気が後退している中ではプロスポーツのクラブチームを運営するのは厳しいと思います。まずスポンサーを獲得するのが困難だしね。昨年の記事では「クラブチームに期待している」と書いたけど、やっぱりそうは甘くはないですね。ところで、もう一方のbjリーグはどうなんだろう。まだシーズン中ってこともあるから、そこらの情報ってまだないと思うけど、このJBLの2チームよりは健全経営ができてるんだろうか。3月28日、29日の東京と浜松の試合(有明コロシアム)は観客動員数が6000人ぐらい・・・すげぇ。ただし、その他はいつもどおりみたいですが。

 さて、来季はどうなるでしょうか。

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