オリンピックが終わってから、ネット上でいろいろなコラムを物色しているんだけど、どの競技のコラムを読んでも面白いね。アスリートが北京に向けてどのように練習や調整をしてきたかとか、競技中の選手の表情や競技後のインタビュー記事など、テレビを見ているだけでは伝わってこない“真実”を読むことができる。それぞれの競技や選手に密着してないと書けないことがあるからね。スポーツ記者やジャーナリストって本当に憧れますね。
バスケについてのコラムも読みました。1992年のバルセロナの時は「ドリームチーム」と呼ばれ、今回のチームは「リディームチーム」と呼ばれていた、とほとんどのコラムに書かれていますね。「リディーム」とは「redeem」のことで、意味を調べてみると「回復する」という意味。つまり今回のチームは「名誉挽回チーム」ということになりますね。バスケ王国アメリカに王座奪還を託されたチームということで、並々ならぬ意気込みを感じる。
「3年間かけてチームづくり」ということもほとんどの記事に書かれている。この「チームづくり」というのが単にバスケチームをつくることだけではなく、選手たちに「国を背負って戦う」という意識を植え付けることから始まっている。あとは、他の国に対して敬意を払って戦うことを徹底したらしい。戦術とか体力強化とかそういったものの前に精神的な部分の強化をしていったというのが印象的で、昨年の日本の代表合宿はどうだったのかな、と思ってしまった。個々をチームとして機能させるためにはメンタルな部分が大きいのだろうね。
今回のアメリカチームの戦い方についていろいろ書かれているので、それもまとめてみたいと思う。アメリカは相手チームのボールマンに対してプレッシャーをかけ続けることで相手のセットオフェンスを崩し、尚且つターンオーバーを誘発することで得意の速攻やアーリーオフェンスに持ち込んでいった。特に、「ガードのディフェンスが勝つためのカギ」だったようだ。あとは、アテネでは3ポイントシューターの不在が金メダルを逃した理由のひとつに挙げられているけど、今大会では3ポイントの確率が安定していたことも勝因だと思う。
アメリカは高さ不足やセットオフェンスの完成度の低さが目立つこともあった。セットオフェンスについてはそれほど重点を置いて強化していないのかもしれない。とにかくアメリカの特徴である運動能力を発揮できるような戦術だったと思う。ディフェンスにしても3ポイントにしても個々の能力の高さを如何なく発揮していたからね。これが世界のバスケに対抗するために出したアメリカの答えなんだろう。まあ、言ってみればアメリカはアメリカらしく勝ったこということだと思う。それに加えて3年間の強化期間で選手うまく“マインドコントロール”することに成功したコーチ、スタッフの勝利とも言えるかもしれない。
北京オリンピックに関わらず、ネット上でいろいろなスポーツのコラムを読める時代になった。ぼくがよく見てるサイトはスポーツナビとNumber Web。両方ともコラムの数や内容が充実しているけど、Numberのほうは雑誌のコラム(ほんの一部だけだけど)を掲載してくれていたりするんでうれしいですね。この他にもスポーツコラムが充実しているサイトがあったら是非教えてください!
ジャンプトレ通信最終回(笑) (2012-10-31 12:30)
バスケットボール統計学 (2012-10-25 10:01)
ジャンプトレ通信No.6 (2012-09-19 15:04)
ジャンプトレ通信No.5 (2012-09-09 10:02)
ジャンプトレ通信No.4 (2012-09-03 10:02)
ジャンプトレ通信No.3 (2012-08-10 22:49)
自分はNBA.comに登録してそこのコラムとか読んでるんですけど、決勝戦後のコラムにけっこう厳しいことが書いてありました。
アメリカは汗をかかないで優勝してこその名誉回復。勝ってもコート上で抱き合ったりして喜ぶべきではなかった。むしろ、相手を見下すようなふてぶてしさが欲しかった。
そのようなことが書いてありました。アメリカからのコラムなんですけど、アメリカではそんなことを感じてたのかなって思ってしまいました……
K・Gさん
なかなか厳しい意見ですね。今回のアメリカは世界からの敬意を取り戻す、という目的もあったようです。対戦相手に敬意を払って本気で準備し、そして実力で勝つこと。でもアメリカ国民から見ると、アメリカの威厳を示すためには余裕があるところを見せて欲しかったのかもしれませんね。
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