アメリカ、全勝で頂点に!

 アメリカが決勝では苦戦しながらも金メダルを獲得しました。最終スコアは118−107とスペインに100点以上得点を許すという形となった。しかし、終盤までもつれる展開になるとは予想してなかった。やっぱりスペインは1次リーグでは手を抜いていたというか、アメリカの出方を見ながら手の内は見せていなかったことがこれでハッキリとわかった。そうだよね、スペインがアメリカ相手とはいえ、平気であんなに大差で負けるわけがないよね。

 スペインのスターターにルビオがいてビックリ。そして、そのプレイを見てまたビックリ。NBAのスーパースタークラスのポイントガードと互角にやりあっていた。特に、ドリブルがトリッキーで、抜くときにバックビハインドドリブルを多用するのでNBA選手にはない感じのドリブルなんだろうね。NBAはレッグスルーを多用する選手が多いからね。アルゼンチン戦を見て参考にしたかどうかはわからないけど、ルビオはインサイドへドライブインすることが多かった。これがアメリカのディフェンスを攻略したひとつの要因になっていると思う。

 スペインは1次リーグのときには影を潜めていたのか、この決勝ではインサイドが見違えるほど良く見えた。アウトサイドでボールを持った選手が1次リーグみたいにパス出しでもたつくことがなかったし、アメリカのオフェンス同様にシュートまでが早いような気がした。スペインの得点とシュート回数が多いというのは、アメリカのディフェンスに追い詰められる前にインサイドにボールを入れてしまってそこで勝負しようという意図があったように思う。ガソル兄弟が強かった。

 インサイドが良ければアウトサイドも活きてくるということで、スペインはこの試合3ポイントの確率が47.1%(8/15)と高かった。特にフェルナンデスの3ポイントが中盤以降に炸裂し、3ポイントが5/9で得点がチーム最多の22得点。残り2分ぐらいでファールアウトしてくれたんで、アメリカを応援するぼくにとってはよかったけど、本当に彼はアメリカの脅威だった。

 さて、アメリカだけど、ディフェンスが機能しなかったね。1Qで31失点、2Qで30失点は多すぎでしょう。やっぱりインサイドにボールを入れられてしまうと弱かった。ほぼ得点されるかファールしてフリースローを与えるかのどっちか。しかもスペインはフリースローの確率が高い。やっぱり、アウトサイドでディフェンスする選手がボールに対してタイトにあたるぶん、相手に抜かれるシーンが多かったと思う。抜かれてはインサイドにボールを出されてやられるといったパターンが多かった気がする。スペインは2回目の対戦ということで、アメリカのディフェンスを攻略する糸口を見つけたのかな。それとも、選手たちが対応できたのかな。慣れたというか。

 ディフェンスがダメでもオフェンスはいつものアメリカだった。つーか、アルゼンチン戦同様に速攻が出せなかった。速攻で得点が伸びないかわりにアウトサイドはこの試合も好調で、3ポイントの確率は46.4%(13/28)だった。これがなかったら負けていただろうね。セットオフェンスではスペインのマンツーとゾーンのチェンジングディフェンスに得点が伸びない時間もあったけど、終盤になってアメリカもインサイドを起点とした攻撃ができるようになった。そういえば、序盤からアメリカはカウントワンスローをもらうシーンが幾つかあったね。

 アメリカのオフェンスを牽引したのがコービーとウエイド。コービーは得点だけでなくインサイドに切れ込んでディフェンスをひきつけてからアシストしていた。1次リーグ序盤で心配された3ポイントもここにきて普段のタッチに戻っていた。ウエイドは中国戦からずっと注目して見ていたけど、やっぱりチームで一番動きにキレがあった。ウエイドのジャンプシュートやレイアップを見ていると、シュートを打つまでの動作がちょっとトリッキーな感じがする。ステップが予測不能な感じかな。ジノビリと同じような感じかも。それでジャンプ力やシュート力、そしてパスセンスもあるから、彼が絶好調のときってアンストッパブルだろうね。来シーズンのNBAは彼に注目したいと思う。怪我がなければ得点王も可能でしょう。

 まあ、なんだかんだ言ってもアメリカが優勝したので安心しました。アメリカは若手中心のメンバーで、しかも若手が出場しているときのほうが良いリズムだったりもして、見ていて楽しかったです。キッドよりもクリス・ポールが出場している時間のほうがバランスが良かった気がするし。会社の先輩はバルセロナのドリームチームと比較してバスセロナの方が良かったというけど、今は世界のレベルが上がっているから、あのときのドリームチームが今国際大会を戦って優勝できるかと言えば、たぶん無理だと思うね。それだけ、決勝のスペインは強かった。

 そして、決勝は接戦になったから余計に面白かった。これが大差でアメリカ勝利だったら、それはそれで盛り上がるだろうけど、手に汗握る展開というのがスポーツの醍醐味でもある。スペインはグッジョブですね。やっぱり、国際大会でアメリカが楽に勝てるという時代は終わったんですね。久しぶりに国際大会を見たもので、世界のレベルの高さに驚きました。日本は世界の足元にも及ばないですね。日本のバスケ界とバスケファンは重く受け止めるべきでしょう。というか、ファンはちゃんとわかっているだろうけどね。

 これで、オリンピックも終了し、今後はいよいよフェニックスのbjリーグ開幕戦へ向かって盛り上がっていかなくてはいけません。プレシーズンマッチもやっているようですし(すっかり他人事・・・)。未だにブースタークラブに入会していないからね。ジャーナリスト志望なんで特定のチームばかりを見ててはいけないんです(笑)。もちろん、JBLも注目です。オーエスジーの主力が移籍したレラカムイやリンク栃木は要チェック。そして、それらのクラブチームの経営も要チェックです。つーか、本業が疎かになり過ぎ・・・。


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この記事へのコメント

隠していたのか、修正してきたのか分かりませんが、スペインのディフェンス修正してきましたね。簡単に速攻にもっていかせないように。ただ、アメリカのアウトサイドがしっかりしていましたねぇ、特に勝負どころで。スペインが幾度と無く追い上げるものの、あと少しのところでコービーの3Pだったり、アウトサイドのシュートが決めてくるんで、結局同点になることも無かった。これが大きかったと思うのですが、もし逆転されたら、アメリカが焦ってアウトサイド打ち出すと率が悪くなりがちなので、世界選手権の二の舞になっていたと思います。追いつかれそうになっても、焦って個人技にはしったりしなかったたり、よく統制取れていたと思います。でもそうまでしないとアメリカといえども勝てなくなっているのも現実ですよね。もう一つアメリカついていましたよね。準決勝ではジノビリが故障、決勝ではフェルナンデスがファールアウト。もし、こうなっていなかったら・・・。次の世界大会はトルコの世界選手権。アメリカはどう挑んでくるのでしょうか?他の国もロンドンに向けて世代交代してくるでしょうから。
Posted by 豊橋の一市民 at 2008年08月25日 12:32

アメリカとうとうやりましたね♪試合を決めたのはあのコービーの4Pプレイですかね…


スペインはやっぱり強かったですね!!個人の能力が高い!!!!もちろんチームとしての強さもあるんですが、ルビオにしろマーク・ガソルにしろルディ・フェルナンデスにしろ各個人の能力がアメリカに引けを取らないぐらい高かったですね。あとオフェンスでここまでやれたのはナバーロのあの柔らかいシュートの力、ベテランのヒメレスの力も大きかったと思います。


アメリカは3Pがよかったですね!!!コービーもカーメロもしっかり決められてましたし、デロンの勝負所での3Pも効いていたと思います。
あとはフリースロー。ウェイドは多くあったカウントプレイのフリースローをしっかり決めていたし、ボッシュはインサイドでファールをもらってそれをしっかり決めていた。ポールも試合終盤のフリースローを決められてた。さすがアメリカといったような集中力でした!!

悪いところは両チームあったと思うけど、両チームともボールを必死に追いかけてる姿にはすごく感動しました!!またこんな試合が見たいなぁ(^∀^)
Posted by K・G at 2008年08月25日 13:28

豊橋の一市民さん

アメリカが優勝した要因のひとつに3ポイントの確率の良さが挙げられると思います。アメリカと対戦する国はアメリカの3ポイントシュートの多さと確率の良さに戸惑っていたかもしれませんね。まあこれは個人で突破する能力があるからこそ3ポイントが活きたと思いますけどね。
次の世界選手権が楽しみです。
Posted by O・K at 2008年08月25日 15:02

K・Gさん

コービーの4ポイントプレイがトドメですね。4Qの得点のほとんどがコービーだったので、その存在感の大きさを改めて確認することができました。大きな舞台で強い!
アメリカはフリースローの確率がこれまでで一番良かったんじゃないですかね。これも集中力ですかね。本気モードになったアメリカは凄いぞ、と。
こういう国際大会で、アメリカが苦戦しながらも勝ち上がるってことがこれからも多くなると思うけど、それが一番面白いかもしれません。NBAファンのぼくとしてはアメリカが負ける姿を見たくはありませんが(笑)。
Posted by O・K at 2008年08月25日 15:03
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